- INTERVIEW|04
- 社員インタビュー
さまざまな“働く”を支える業務用無線機、 アイコムはその進化を牽引する
第3設計部 業務機2課
D.Kさん
2016年入社。学部卒で入社後、すぐ設計に携われるアイコムに魅力を感じて志望。業務用トランシーバーの設計開発を担当し、最初の3年間で基板設計の基本を学んだ後、業界初となるIP無線機の開発に参画。業務用無線機の知見を深める日々を送る。
2016年入社。学部卒で入社後、すぐ設計に携われるアイコムに魅力を感じて志望。業務用トランシーバーの設計開発を担当し、最初の3年間で基板設計の基本を学んだ後、業界初となるIP無線機の開発に参画。業務用無線機の知見を深める日々を送る。
業務用トランシーバーの設計開発を担う部署に所属し、基本性能を確認する1次判定、性能のばらつきを確認する2次判定の、二つの判定会議に向けた基板開発・測定などを担当。そのプロセスで発生する動作不良などの原因究明・問題解決というミッションを通して、基板設計のスキルを徹底的に磨いてきました。その中で大きな経験だったのが、無線とLTE回線のハイブリッド機種、『IP700』開発プロジェクトで新規設計を行った時のこと。LTE回線を使用するIP無線機設計を担ってきたのは別部署であり、所属部署にはその知見がほとんどなかったため、IP無線機について学びつつ、設計を進めていきました。特に印象に残っているのは、製品の要所となるアンテナの基板設計です。難しいのは、通常無線機とIP無線機では通信形態が違うため、アンテナを一緒にできないこと。では回路設計はどうする? 筐体はどうする?……などの課題も出てきましたが、機構担当やソフトウェア担当などとはそれぞれに思いや考えも異なるため、最初は難航しました。しかし、白熱したディスカッションを繰り返すことで、お互いのこだわりを乗り越えることができました。
業界に先駆けてアイコムが開発・発売したIP無線機『IP700』は、多人数に同時連絡できるトランシーバーの特長に、キャリアのLTE回線を通じた広域通話も実現したモデル。大規模災害時、LTE回線のトラブルによる通信途絶を避けたい自治体や運輸・製造業などのニーズが高く、導入が急速に進んでいます。『IP700』はいまもバージョンアップなどの開発が続き、私もそのメンバーの一人です。そこで、災害時対応に加えて、お客さまの働き方・生産改革にも貢献するべく、たとえば、「5G」「デジタルトランスフォーメーション」など通信・デジタルの進展による、「テレワーク」「スマートファクトリー」などの今後の潮流に常に目を配り、設計メンバーと意見を交換。新たに必要な業務用無線機の機能や、回路・基板・ソフトの設計に起こる変化など、見聞した知識を深め、無線機の次の“進化”に備えています。
デジタルインフラの進化や働き方が変革する中で、無線機にはビジネスシーンを支える新しい機能や性能がいま以上に求められます。その状況下で『IP700』開発に参加した経験は、私にとって大きな収穫でした。世の中にないものを生み出せるアイコムの二つの可能性を実感できたからです。一つ目は、他の追随を許さぬ技術力。アイコムが従来無線とIP無線両方の要素技術を培ってきた唯一のメーカーだからこそ、ハイブリッド機開発を他メーカーに先駆けることができたのです。そして二つ目は、組織風土の良さ。いいものをつくるためには畑違いであっても協力し合える技術者マインドがあり、また、深い知見を有するベテラン技術者も存在します。だからこそ幾多の課題をブレークスルーできたのです。私自身、『IP700』の改良やバージョンアップに取り組む中で、まだまだ基板設計や性能測定で悩むこともあるので、こうしたアイコムならではの土壌を生かしてスキルを磨きたい。そしてさまざまな“働く”を支える業務用無線機開発に携わり、その進化を牽引していきたいですね。